悪事千里を走る
悪事千里を走る(あくじせんりをはしる)
■ 意味
悪いことほどすぐに世間に広まるということ。
善行はなかなか知られないが、悪事は瞬く間に遠くまで知れ渡るという皮肉な人の世の常を表したことわざです。
■ 類義語
善事門を出でず、悪事千里を走る
悪名は無名に勝る(皮肉な名言)
火のない所に煙は立たぬ(悪い噂には根拠がある)
■ 由来
古代中国の故事に由来します。「善事は門を出ず、悪事は千里を走る」とも。
人の噂は、悪い方が面白がって広まりやすいため、このように言われます。
■ 用例
「一度の過ちで会社をクビか……。悪事千里を走るっていうが、世の中って残酷だな」
「彼の不倫がすぐに噂になって……悪事千里を走るとはよく言ったもんだ」
■ 短編小説:『千里の風』
あらすじ(プロット)
静かな村で評判の良い教師・高梨は、20年近く子どもたちに慕われていた。
ある日、村人のひとりが彼の旧友から「昔、窃盗で補導歴があったらしい」と耳打ちされる。
噂はまたたく間に広まり、高梨は学校を辞職に追い込まれる。
真相は、彼が少年時代に友人の罪をかばって罪を着たものだった。
しかし、真実が語られる頃には、すでに彼は村を去っていた。
数年後――。
かつての教え子たちが、教師を集める感謝の集いを開いた。
誰もが語る。「先生は、僕たちにとって“善事千里”の人だった」と。
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