会うは別れの始め

 会うは別れの始め(あうはわかれのはじめ)

■ 意味

この世のすべての出会いには、必ず別れが訪れる運命にあるという無常観を表すことわざ。

人と人とが「会う」ということは、すでに「別れ」という未来へ向かって歩き出している――

そんなはかなさや物事の移ろいをしみじみと表現しています。


■ 解説

この言葉は、仏教的な無常観にも通じています。

出会いの喜びの裏に、いつかやってくる別れの悲しみが隠れているという人生観。

その切なさや美しさから、詩・小説・歌詞・手紙などでしばしば使われます。


■ 用例

「楽しかったけど、もうお別れか。会うは別れの始めって言うしな…」


「新学期、また新しい出会いがあるけれど、どれも会うは別れの始めなんだと思うと、胸が痛い」


■ 類義語

会者定離(えしゃじょうり):出会う者は必ず別れる


諸行無常:すべてのものは常に変化し、永遠ではない


逢うは別れの初めなり(文語体)


■ 短編小説:『春の終わりに』

あらすじ(プロット)

大学卒業の日、優人と沙耶は桜並木の下で別れの約束を交わす。

四年間、同じキャンパスで笑い合い、泣き合い、恋人同士だった二人。


しかし、卒業後の進路はバラバラ。

優人は大阪、沙耶はロンドンへ――。


沙耶が呟いた。「会うは別れの始めって、本当なんだね」

優人は黙ってうなずいた。


「でもさ、別れの終わりは、また会う始まりかもしれないだろ?」


二人は笑い、最後にもう一度だけ手を繋いだ。

花びらが散って、風に流れていった。



ことわざから小説を執筆
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