武陵桃源

 武陵桃源(ぶりょうとうげん)」は、中国の古典文学に由来する表現で、ことわざというより成語・故事成語の一種です。理想郷や別世界の象徴として使われます。


■ 意味

「武陵桃源」とは、

中国・東晋の詩人 陶淵明(とうえんめい) の『桃花源記(とうかげんき)』に登場する、

**俗世を離れた理想郷(桃源郷)**のことです。


現実とは隔絶された、平和でのどかな世界


外の争いや混乱を知らずに、人々が静かに暮らす場所


■ 使い道・使いどころ

俗世間から離れた理想の場所を表現したいとき

 - この山奥の村は、まるで武陵桃源のようだった。

 - 騒がしい都会を離れ、週末は武陵桃源に身を置いた気分だった。


平和でのどかな風景を描写するとき

 - 静かな湖畔に咲く花々。そこはまさに武陵桃源だった。

 - その庭園は人工とは思えない自然美で、まるで武陵桃源そのものだった。


理想郷を夢見る気持ち・憧れを表すとき

 - 現実は厳しいが、心のどこかで武陵桃源を求めている。

 - 誰もが一度は、武陵桃源のような世界に憧れるのではないか。


ユートピア的な空想を、やや皮肉を込めて語る場合も

 - それは武陵桃源の夢物語にすぎない、と言われた。

 - この計画は理想が先行しすぎて、武陵桃源の妄想だと批判された。


■ 類語・関連表現

桃源郷(とうげんきょう)


理想郷


シャングリラ


楽園・別天地


隠遁生活


■ 注意点

教養的な表現なので、文学的・比喩的な文脈で用いると効果的です。


日常会話で使うには少し格式が高く、「桃源郷」と言い換える方が自然な場合もあります。




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