易簀
易簀(えきさく)
意味:
「高潔な人物が、静かにこの世を去ること」を意味する言葉。
特に、儒学者や徳の高い人が死を迎える際に使われる表現。
由来:
中国・戦国時代の思想家 荘子(そうし) の故事に由来する。荘子の弟子が「立派な棺を用意します」と申し出た際、荘子は「天と地を棺にし、日と月を玉とし、星を珠とする。これ以上の葬儀があろうか」と答え、粗末なむしろ(簀)を敷いただけで亡くなったという逸話から、「易(か)える」と「簀(むしろ)」を合わせて「易簀」となった。
使い方:
「彼は最後まで清廉潔白な生き方を貫き、静かに易簀された。」
「世の無常を悟り、簡素な死を望んだ彼の最期は、まさに易簀というべきものだった。」
この言葉を使った短編小説のアイデア
① 老学者の最期
高名な学者が、権力者の招きを拒み、静かな庵で最期を迎える。弟子たちは豪華な葬儀を準備しようとするが、師の遺言には「質素に送れ」と書かれていた。彼の死後、弟子たちはその意味を悟る。
② 隠者の決断
ある隠者が、山奥で孤独に暮らしていた。ある日、弟子が訪れ、「この世に何か後悔はありませんか?」と問う。隠者は微笑みながら、ただ静かに易簀の時を迎える——その微笑みの意味とは?
③ 武士の美学
幕末、ある浪人が敵討ちの機会を得るが、「復讐よりも死に様こそ美しくあるべきだ」と剣を捨てる。そして、静かに最期の時を迎える。果たして、それは武士の誇りなのか、それとも敗北なのか?
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