一将功成りて万骨枯る

 一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)

意味:

「一人の将軍が功績を上げるために、数えきれない兵士の命が犠牲になる」

つまり、大きな成功の裏には、名もなき多くの犠牲があるという警句です。


成り立ち:

この言葉は、中国・唐代の詩人 杜牧(とぼく)の詩『書懐』の一節に由来します。


原文:

「一将功成りて万骨枯る」


――一人の将軍が戦功を立てるために、戦場では万の兵の骨が野にさらされている。


名誉や勝利の陰で命を落とした人々への鎮魂と、権力や名声の虚しさを問う言葉です。


使い方(例):

「歴史に名を残した英雄も、その影でどれだけの兵士が死んだことか」

 →「一将功成りて万骨枯るってな」


「会社のトップが表彰されたけど、現場は過労でボロボロだったよ」

 →「それこそ一将功成りて万骨枯るじゃん」


小説アイデア:「万骨の声」

あらすじ:

かつて“蒼雷将軍”と呼ばれた男がいた。

伝説の英雄として語り継がれる彼の銅像の前に、一人の若き兵士の妹が立つ。


「兄さんは、あの戦争で消えた。あの人の“功”のために。」


彼女は真実を知るため、将軍のかつての副官を訪ね歩く。

語られるのは、栄光の裏に隠された、無数の死と叫びだった。


「勝利とは、誰かの屍を積んで立つ塔なのか?」


詩風に:

功を称えしその名の下に、

野に晒されし骨の声あり。

誰が聞く、万の無名の命を。



ことわざから小説を執筆
#田記正規 #読み方 #家族 #実家 #会社 

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