衣鉢を伝う

 衣鉢を伝う(いはつをつたう)

意味:

「師の教えや技術、精神を受け継ぐこと」を意味することわざ。

特に、仏教の世界では、師から弟子へ教えを受け継ぐことを指すが、一般的には学問・技芸・家業などを継承することにも使われる。


由来:

「衣鉢(いはつ)」とは、僧侶が持つ**衣(法衣)と鉢(托鉢に使う器)**のことで、仏教の師から弟子へと教えが受け継がれる象徴とされている。そこから転じて、技術や精神を受け継ぐこと全般を指すようになった。


使い方:

「彼は父親の跡を継ぎ、和菓子職人になった。」

→「まさに衣鉢を伝うだね。」


「あの俳優は亡き師匠の演技哲学を忠実に守っている。」

→「師の衣鉢を伝う姿勢が素晴らしい。」


「若い画家が師匠の技法を受け継ぎ、独自の作品を生み出している。」

→「単に真似るのではなく、新しい形で衣鉢を伝うのが理想だね。」


このことわざを使った短編小説のアイデア

① 伝説の能楽師

ある若き能楽師が、師匠の死後、その技と精神を受け継ぐために奮闘する。だが、「衣鉢を伝う」とは、単なる模倣ではなく、自分自身の表現を見つけることだと気づく——。


② 刀匠の教え

戦国時代の刀鍛冶の息子は、父の跡を継ぐべく修行に励む。しかし、「衣鉢を伝う」とは単に技を真似ることではない。父の想いを知った時、彼は本当の「名刀」を生み出す——。


③ 師を超える画家

一流の画家を師と仰ぐ青年は、忠実に師の技術を学ぶが、「自分の絵ではない」と悩む。やがて、師が伝えたかった「衣鉢を伝う」の本当の意味を理解し、新たな境地に到達する。


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