乙夜の覧

 乙夜の覧(いつやのらん)

意味:

「乙夜(いつや)」とは、夜中の十二時から午前二時頃のこと。

「覧(らん)」は、“ご覧になる”という意味の漢語的表現。


つまり「乙夜の覧」とは、

深夜に書物を読んだり、文章を吟味したりすること。

または、

高貴な人(たとえば天子や上位の人)が夜更けに文章を読むこと。


文学的で美しい響きがあり、特に静かな夜の読書や深夜に受ける評価や注目などを表現する時に使われます。


使用例(文語調):

「拙文、乙夜の覧に供すれば幸いに存じます」

 →(拙い文章ですが、夜分にお目通しいただければ幸いです)


「乙夜の覧に耐えうる筆致を目指す」

 →(夜中に読んでも飽きさせないような筆遣いを目指す)


小説アイデア:「乙夜の覧」

タイトル:乙夜の覧(いつやのらん)

舞台は明治初期、ある文学青年が憧れる文豪に送った原稿。

返事はなく、数年が経った。青年は筆を折ろうとしていた。

しかしある夜、ふと届いた一通の書状。


「乙夜の覧に堪え得たり。君の文、真に佳なり。」


それは、かの文豪が病の床で、夜ごとその原稿を読み返していたという事実だった。

青年の運命はその夜から変わり始める。


テーマ: 静寂と情熱、遅れて届く評価、夜に咲く文の花。



ことわざから小説を執筆
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