麻の中の蓬
麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)
■ 意味
曲がりやすい蓬(よもぎ)も、真っ直ぐに伸びる麻の中で育てば自然と真っ直ぐになる、ということから、
良い環境にいれば、悪い性質の者も自然と良くなるという教訓です。
つまり、人は環境次第で良くも悪くもなるという意味のことわざです。
■ 出典
中国の古典『荀子(じゅんし)』より。
「蓬は麻中に生ずれば扶けずして直し」
■ 用例
「子どもを育てるには環境が大事だ。麻の中の蓬というじゃないか」
「悪かったあの子も、良い友達と付き合うようになって、まるで麻の中の蓬だな」
■ 類義のことわざ
朱に交われば赤くなる(交友関係が人を変える)
習うより慣れろ(良い環境に慣れることで身につく)
桃李もの言わざれども下自ずから蹊を成す(徳ある者には自然と人が集まり、周囲が良くなる)
■ 短編小説:『麻の中の蓬』
あらすじ(プロット)
田舎町の不良少年・恭介は、何度も補導される素行不良の高校生。
母子家庭で育ち、周囲からは「どうせあいつは変わらない」と見放されていた。
しかし、東京から転校してきた優等生の圭吾と、彼の仲間たちとの出会いが、恭介の内面に少しずつ変化をもたらす。
圭吾は「人は、どこに根を張るかで育ち方が変わる」と語り、誰も見放さなかった。
恭介は徐々に勉強に向き合い始め、仲間に手を貸すようになる。
やがて自らも「支える麻」となることを決意し、数年後には地元で子どもたちに勉強を教える青年へと成長する。
最後に、町の教育委員会の講演でこう語る。
「僕は、蓬でした。でも麻の中にいたから、まっすぐになれたんです。」
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