石に漱ぎ流れに枕す

 石に漱ぎ流れに枕す(いしにくちすすぎ ながれにまくらす)

意味

自分の誤りを正さず、無理にこじつけて言い逃れること。屁理屈を押し通す様子。

あるいは、自説に固執して間違いを認めない態度を批判的に表すことわざです。


由来

『晋書(しんじょ)』にある故事から来ています。


中国の戦国時代、儒者・孫楚(そんそ)が「流れに口をすすぎ、石に枕す」と言うべきところを、

誤って「石に口をすすぎ、流れに枕す」と言ってしまいました。

本来の意味とは正反対の表現になってしまったのですが、

孫楚はその誤りを認めず、「石で口を磨き、流れの音を枕にする」と強引なこじつけで言い逃れたという話です。


これが転じて、「誤りを素直に認めず、屁理屈をこねる」ことを指すようになりました。


ニュアンス

明らかな間違いを認めない人への皮肉として使われます。


インテリぶって屁理屈を言うような態度に対してもよく使われます。


類似表現

屁理屈をこねる


負け惜しみ


強弁を張る


自説に固執する


使い方の例

「彼のあの説明は、どう考えても『石に漱ぎ流れに枕す』だよ」


「間違いを認めれば済むのに、石に漱ぎ流れに枕すような言い訳ばかりだ」


「石に漱ぎ流れに枕すとはまさにこのこと。あそこまで強引だと逆に感心する」


小説アイデア

タイトル:『石に漱ぐ男』


大学教授の九鬼は、論理学の権威。

だがある日、論文に重大な誤りが見つかる。

彼はそれを認めず、巧みな話術と屁理屈で押し通そうとするが、

そのうちに自分でもどこまでが真実か分からなくなっていく。

真理とは何か、理屈とは何か。

一人の「言い逃れ」が、学会全体を巻き込む騒動へと発展する。



ことわざから小説を執筆
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