青菜に塩

 青菜に塩(あおなにしお)

■ 意味

元気だった人が急にしょげてしまう様子や、意気消沈しているさまを表すことわざです。

青菜(葉野菜)に塩をふるとしんなり萎れるように、気落ちして元気をなくす姿をたとえています。


■ 解説

この表現は、主に人の態度や表情の変化について使われます。

たとえば、明るく振る舞っていた人が、ひと言で傷ついたり、落ち込んだりしたときなどです。

現代でも、日常的に会話や文章に使われています。


■ 用例

「あんなに張り切っていたのに、注意された途端、青菜に塩だね」


「試合に負けた子どもたちは、みんな青菜に塩の顔をしていた」


■ 類義語

肩を落とす


泣きっ面


元気がない


意気消沈


■ 短編小説:『青菜に塩』

あらすじ(プロット)

小学五年生の直人は、クラスの劇で主役に抜擢され、大喜びしていた。

自宅でも台詞の練習を繰り返し、両親も応援してくれていた。


しかし、ある日、担任の先生から「やっぱり演技力を考えて配役を変える」と言われ、直人はあっさり脇役に回されてしまう。

それ以来、直人は目に見えて元気をなくし、放課後の練習にも身が入らなくなった。


その様子を見た母が、晩ごはんの青菜のおひたしを箸でつまみながら言う。


「……あんた、まるで青菜に塩やなぁ」


直人は黙ってうなずき、そしてゆっくりと言った。


「しょっぱいよ。すごく」


けれど次の日、同じ脇役の友達が「一緒に頑張ろうぜ」と声をかけてきた。

その瞬間、直人の心に少しだけ塩が溶けて、温かい味がした――。



ことわざから小説を執筆
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