鞍上人なく鞍下馬なし
鞍上人なく鞍下馬なし(あんじょうひとなく あんかうまなし)
意味
人馬一体となって、まるで人も馬も存在しないかのように完全に一つになっている様子のたとえ。
乗っている人が意識されず、馬もその存在を主張しない。
つまり、それぞれが完璧に調和し、動きに一切の無理・無駄がない状態を表す表現です。
出典・由来
中国・唐代の詩人・杜甫の詩にある表現で、
名人が馬に乗っている様子を詠んだ句とされています。
原典の表現は「鞍上人なく、鞍下馬なし(鞍上に人無く、鞍下に馬無し)」という形です。
ニュアンス
「達人」「名人芸」「自然体」の境地。
技術の極致であり、意識すら不要なほどに体得していることを示す。
武道や芸道、芸術などの分野でしばしば使われる称賛語。
類似表現
無我の境地
自然体
極意を得る
技の冴え
人馬一体(より一般的な表現)
使い方の例
「彼の弓術はまさに鞍上人なく鞍下馬なし。無駄が一切ない」
「舞台での彼女の演技は、鞍上人なく鞍下馬なしの域に達していた」
「それはただの演奏ではない。鞍上人なく鞍下馬なしの音楽だった」
小説アイデア
タイトル:『鞍上に人なく』
老境の剣士・成島は、若き武道家から試合を申し込まれる。
成島は剣を抜かない。抜く前に勝負がついてしまうからだ。
弟子を持たず、名声をも求めず、ただ技を磨いてきた男。
その静かな姿に、若者は「鞍上に人なく、鞍下に馬なし」と称賛する。
物語は、**“極意とは何か”**を問う剣の静寂を描く禅的な短編。
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