網呑舟の魚を漏らす

 網呑舟の魚を漏らす(あみどんしゅうのうおをもらす)

意味

「網が大きくても、船を呑み込むような巨大な魚は捕まえられず逃してしまう」というたとえ。

転じて、


制度や法律が完璧に見えても、重大な者(事)が抜け落ちることがある


有能な人物や重要な存在を見落としてしまうことがある

という警戒や批判のニュアンスを持つ言葉です。


出典

『韓非子』より。

「法網(法律や制度)」が万全のようでいても、

それにおさまりきらない大物(悪人・有能者)を取り逃がすことがあるという古典的な警句です。


類似表現

法の抜け穴


鳥を逃がして羽を惜しむ


目こぼし


大魚を逸する(たいぎょをいっする)


使い方の例

「この監査体制じゃ、網呑舟の魚を漏らすようなものだよ」


「優秀な若者ほど型にはまらない。網呑舟の魚を漏らす危険がある」


「厳しい規制にもかかわらず、黒幕だけは捕まらなかった。まさに網呑舟の魚だな」


小説アイデア

タイトル:『網の目』


舞台は、近未来の監視国家。

市民はAIによって常時モニターされ、

犯罪はほとんど未然に防がれる。

だが、そんな中で連続爆破事件が発生。

犯人の痕跡はシステムに一切残らない。

捜査官の結城は気づく──「このシステムには、“舟を呑む魚”がすり抜けられる穴がある」と。

やがて浮かび上がるのは、

「規則の番人」が隠し持っていた最大の盲点だった。


このことわざは、制度や権力構造、情報社会の限界、人間の想像力の外側にある存在などを描くのに適しています。



ことわざから小説を執筆
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