梁上の君子

 「梁上の君子(りょうじょうのくんし)」ということわざの使い道についてご説明します。


意味

「梁上の君子」とは、


家の梁(はり)の上に隠れている泥棒を、皮肉を込めて立派な人物(君子)と呼んだ故事成語です。


つまり、


泥棒や悪人を遠回しに言う婉曲表現

その場に泥棒がいると気づかせたいときに、あえて上品な表現で言う


という、皮肉と遠回しの警告を含んだ言葉です。


出典

中国の「後漢書」の故事。


儒者の陳寔(ちんしょく)が家の梁に隠れていた泥棒に気づいたが、直接咎めずに、「梁上に君子がおられるようだ」と語ったという逸話によります。

泥棒はこれを聞いて心を入れ替えたと言われています。


使い方の例

1. 実際に不審者がいるときのやんわりした警告

最近、事務所で小銭がなくなるんだよね。梁上の君子がいるのかな?


2. 子どもへのやさしいしつけや警告

お菓子が減ってるけど…うちにも梁上の君子が住んでるのかもね?


3. 皮肉・風刺としての用法(文学的)

正義を語るその男が、実は裏で情報を横流ししていたとは。まるで梁上の君子だな。


類義語・関連表現

盗人にも三分の理


仏の顔も三度まで


(遠回しな警告という点で)暗にほのめかす


注意点

古風な表現であるため、現代の日常会話ではやや文学的・皮肉的な場面での使用に限られます。


婉曲に批判や注意を促したいときに使うと効果的です。


応用・バリエーション

「今夜の会議室、何か視線を感じると思ったら…梁上の君子でもいるんじゃない?」


このように、やわらかい警告や風刺の場面で、文学的な雰囲気を出したいときに使うと非常に効果的です。



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